PROPERTY / 収益物件

アパート1棟の価値は、家賃が決める

賃貸アパート、区分の投資用マンション、事務所や店舗。収益を生む不動産の価値は、自宅とは別の物差し──収益性──で測られます。財産分与での評価も、その物差しに耐える必要があります。

賃貸アパート

このページの結論

  • 収益物件の評価の中心は収益還元法。家賃収入から費用を引いた純収益を利回りで割り戻して価格を求めます。
  • 満室想定か現実の稼働か、修繕費をどう見るかで評価は大きく動きます。前提の置き方が争点になります。
  • 法人名義の物件は、不動産ではなく株式・持分の評価問題になり、税理士等との連携が必要です。
  • 登記・契約・収支の資料が揃えば、入居者に知られることなく評価できます。

収益還元法──家賃から価格を導く

自宅の評価が「似た物件がいくらで売れたか」を軸にするのに対し、収益物件の評価は「この物件がいくら稼ぐか」を軸にします。基本の式は次のとおりです。

収益価格 = 純収益(年間家賃収入 − 費用)÷ 還元利回り

シンプルな式ですが、それぞれの変数に判断が入ります。家賃収入は満室想定ではなく空室・滞納リスクを織り込んだ水準か。費用には管理費・修繕費・固定資産税・将来の大規模修繕がどう見込まれているか。利回りは物件の立地・築年・用途に対して妥当な水準か。

当事者の一方が「満室想定・費用最小」で高い価格を、他方が「空室多め・修繕費多め」で低い価格を主張すれば、同じ物件でも数千万円単位の開きが生じ得ます。鑑定評価は、市場データに基づいて各変数の妥当な水準を示し、この開きを検証可能にします。

法人名義の場合は、評価の構造が変わる

不動産賃貸業を法人化しているご家庭では、アパートの名義が資産管理法人になっていることがあります。この場合、財産分与の直接の対象は不動産ではなく、その法人の株式(持分)になるのが一般的な整理です。

株式の価値を算定するには、法人が保有する不動産の時価評価が前提になります。帳簿価格(簿価)は取得時の金額に基づくため、現在の時価とは乖離していることがほとんどです。不動産鑑定士による時価評価と、税理士・公認会計士による株式評価を組み合わせる形になります。

資料を示しながら説明する様子

物件の種類(アパート1棟・区分・事務所等)、名義、おおよその賃料収入をうかがえれば、評価の設計と費用の見当をお伝えします。

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よくあるご質問

夫名義の投資用マンションがあります。分与の対象ですか。

婚姻中に取得したものであれば、名義にかかわらず財産分与の対象となり得ます。対象になるかどうかの判断は法律上の論点なので弁護士にご確認ください。対象になる場合、その価値の評価を当方が担当します。

法人名義でアパートを持っています。どうなりますか。

法人名義の不動産は法人の財産であり、直接の分与対象は不動産そのものではなく、法人の株式・持分になるのが一般的な整理です。株式の評価には不動産の時価評価が組み込まれるため、不動産鑑定と株式評価(税理士・公認会計士の領域)の連携が必要になります。

満室想定の利回りで計算した価格を主張されています。

満室想定は現実の空室リスク・滞納リスクを無視した計算です。鑑定評価では、現実の稼働状況と市場の標準的な空室率を踏まえた純収益で評価します。相手方の計算の前提を検証するセカンドオピニオンも承ります。

入居者に知られずに調査できますか。

収益物件の調査は外観・共用部と資料の確認が中心で、入居者への聞き取りは行いません。賃貸借契約書とレントロール(賃料一覧)をご提供いただければ、入居者に接触せずに評価できます。

鑑定が必要かどうかの確認だけでも構いません

物件の内容と手続の状況をうかがい、どの資料が必要か、費用はいくらかをお伝えします。必要がなければその旨をお伝えします。初回のご相談は無料です。

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