PROPERTY / 分譲マンション
マンションの査定額は、なぜこんなにばらつくのか
分譲マンションは取引事例が多く「評価しやすい」と思われがちです。それでも査定額が数百万円ばらつくのは、同じマンションの中でさえ、部屋ごとに価格を動かす要因があるからです。

このページの結論
- マンションは取引事例が豊富な分、どの事例を選び、どう補正するかで結論が変わります。査定のばらつきの正体はここにあります。
- 階数・向き・角部屋・眺望・リフォーム履歴は、同一マンション内でも数百万円の価格差を生みます。
- 管理費・修繕積立金の水準や大規模修繕の予定も、市場価格に影響する要因です。
- 財産分与では「いま売り出したらいくら」ではなく「適正な時価はいくらか」を根拠付きで示すことが求められます。
同じマンションでも部屋で価格が違う
分譲マンションの評価で最も誤解されやすいのは、「隣の部屋が3,200万円で売れたから、うちも3,200万円」という考え方です。実際には、次の要因で同一マンション内でも価格は動きます。
- 階数:一般に高層階ほど高く、その差は物件によって1階あたり0.5〜1%程度になることもあります。
- 向き・採光:南向きと北向き、前面に建物があるかどうかで評価は変わります。
- 角部屋か中住戸か:開口部の多い角部屋にはプレミアムがつくのが一般的です。
- リフォーム履歴:水回りの更新や全面リノベーションは価格に反映されます。逆に原状のままの部屋は、その分の減価が見込まれます。
- 取引の事情:売り急ぎ・買い進みなど、当事者の事情で成約価格が市場水準からずれていることがあります。
鑑定評価では、こうした要因を取引事例と対象住戸の間で比較し、補正の過程を評価書に明記します。「なぜこの金額なのか」を第三者が追跡できることが、査定書との決定的な違いです。
見落とされやすい2つの要因
当事者同士の話し合いでは、次の2つが評価から抜け落ちがちです。
① 管理状態と修繕積立金。修繕積立金が計画に対して不足しているマンションは、将来の一時金徴収や積立金の値上げが見込まれ、市場でも敬遠される要因になります。大規模修繕の直前か直後かでも状況は変わります。
② 敷地の権利形態。敷地が所有権ではなく借地権のマンションは、地代負担や借地期間の残りによって価格水準が大きく変わります。定期借地権付きマンションは、残存期間が短くなるほど価値の減り方が速くなる特性があります。

よくあるご質問
同じマンションで最近売れた部屋があります。その価格でよいですか。
有力な手がかりですが、そのままは使えません。階数・向き・角部屋か中住戸か・リフォームの有無・売り急ぎ事情の有無によって、同じマンション内でも価格は動きます。成約事例を出発点に、対象住戸との違いを補正して評価するのが鑑定の作業です。
タワーマンションの高層階です。特別な評価になりますか。
階層による価格差(階層プレミアム)や眺望の価値が大きい物件は、それらを織り込んだ評価が必要です。当社ではタワーマンション・高級マンションを専門に扱うサイトも運営しています。高額物件の場合はそちらの知見も活用して評価します。
住宅ローンの残債より高く売れそうな気がします。
アンダーローンかオーバーローンかの判定は、財産分与の出発点です。時価を確定させることで判定できます。判定が微妙な水準の場合ほど、根拠のある評価が必要になります。
内覧されたくありません。室内を見ずに評価できますか。
資料と外観・共用部の調査に基づく評価は可能です。その場合、室内の状況は資料(間取図・リフォーム履歴等)によった旨を成果物に記載します。ご事情に合わせて調査範囲を設計しますのでご相談ください。

鑑定が必要かどうかの確認だけでも構いません
物件の内容と手続の状況をうかがい、どの資料が必要か、費用はいくらかをお伝えします。必要がなければその旨をお伝えします。初回のご相談は無料です。