評価の実務

遠方にある持ち家の財産分与──現地に行けなくても評価はできるのか

転勤先からの離婚協議、地方に残した持ち家、単身赴任からの別居。当事者が現地にいない不動産の財産分与は珍しくありません。遠隔での評価の進め方と、現地に行けない場合の資料の集め方を解説します。

著者:吉田 健人·読了 約3
遠方にある持ち家の財産分与──現地に行けなくても評価はできるのか

転勤で家族ごと引っ越し、持ち家は賃貸に出したまま。単身赴任先で別居が始まり、家には配偶者だけが住んでいる。離婚の話が進むとき、対象の不動産と当事者が離れた場所にいるケースは、実は珍しくありません。

遠隔でも財産分与の手続は進められる

不動産の財産分与に、当事者が現地にいる必要はありません。登記事項証明書はオンラインで取得でき、固定資産税の課税明細は郵送で再発行を受けられます。弁護士との打ち合わせも、調停の一部手続も、オンライン対応が広がっています。

評価についても同様です。当事務所では、遠方にお住まいの依頼者から、メール・オンライン会議のみで鑑定評価のご依頼を受けています。ご依頼者が一度も来所せず、対象物件から数百km離れた場所にいる状態で納品まで完結した実績があります。

現地に行けない場合の資料の集め方

評価に必要な資料の多くは、現地に行かなくても集められます。

  • 登記事項証明書:登記情報提供サービスやオンライン申請で全国の物件を取得可能
  • 固定資産税の評価証明書:物件所在地の市区町村へ郵送請求可能
  • 間取図・パンフレット:購入時の書類、または分譲時の資料
  • 賃貸中の場合の契約書・レントロール:管理会社から取り寄せ

現地の確認は、評価を行う鑑定士側が行います。対象物件が当事務所の対応エリア(東京23区・多摩・一都三県中心)にあれば、依頼者がどこにお住まいでも問題ありません。

「住んでいる側」と「離れている側」の情報格差

遠隔の財産分与で注意したいのが、情報格差です。家に住み続けている側は、室内の状態も近隣の売出状況も把握できますが、離れている側は情報が乏しいまま、相手の提示額に向き合うことになりがちです。

この格差を埋める手段が、第三者による評価です。離れている側こそ、根拠の示された評価を持つことで、対等な立場で協議に臨めます。

まとめ

  • 遠方の不動産でも、資料収集・評価・協議はオンラインで進められる
  • 現地確認は鑑定士が行う。依頼者の所在地は問わない
  • 家から離れている側ほど、情報格差を埋める第三者評価の意味が大きい

遠方にお住まいの方のご相談は、メールまたはオンライン会議で承ります。時差のあるやり取りでも進められるよう、書面ベースでの進行にも対応しています。

免責事項

本記事は不動産鑑定評価の観点からの一般的な情報提供を目的としています。個別の税務に関する助言は税理士、法務に関する助言は弁護士など各専門家へお問い合わせください。記載内容は執筆時点の情報に基づいており、最新の制度・判例等により取り扱いが変わる可能性があります。

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